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あなたにぴったりのイヤホンを作る、カスタムIEMが出来るまで!

カスタムIEMは、耳型に合わせて作られるため、抜群のフィット感と高い遮音性を提供します。製作には耳型採取から始まり、ドライバー選定、シェルの製作、部品の組み込み...と、多くの手間とプロセスが必要です。手間をかけることで、自分だけの最高の音質と快適さを実現できるのがカスタムIEMの最大の魅力です。

今回は当店のカスタムIEMの制作過程を簡単にご紹介したいと思います!

2. 完璧なフィット感を追求する耳型採取のステップ

カスタムIEMの精度と快適さは、耳型の正確さに大きく依存します。耳型は、お客様ご自身が補聴器店などで採取していただく形となります。採取時のポイントを押さえることで、遮音性とフィット感がさらに向上します。

耳型を採取する際には、口を1~3cmほど開けた状態で行うことをおすすめします。もし、リスニングや普段使いをメインに考えている場合は、少しだけ口を開けて採取すると、自然な装着感が得られます。

また、ライブやコンサートなどでより高い遮音性を求める方には、少し大きめに口を開けて採取すると、音漏れを防ぎ、より密閉されたフィット感が実現します。

耳型の採取が完了したら、シリコンインプレッションを当店までお送りください。それを基に、精密なカスタムIEMを製作いたします。完璧なフィット感を実現するため、採取時の姿勢や口の開き具合にぜひご注意ください。

耳型の採取が完了した後、最初に行うのはインプレッション(耳型の型取り材料)をおおまかにカットして、イヤモニ(インイヤーモニター)のシェルになる形をざっくりと作り出す工程です。

まず、採取された耳型はそのままでは不要な部分が多いため、余分な材料を丁寧にカットします。カットする際には、耳道部分と外耳部分の形状がしっかり残るように注意しながら進め、全体的なシェルの基本的な形を出していきます。この時点でのカットはまだ細かい仕上げ作業ではなく、あくまでイヤモニの全体的な輪郭を整えるためのものです。

この初期段階での加工が正確であることで、後の細部調整やフィット感の調整がスムーズに進むため、非常に重要なプロセスとなります。

次の工程では、イヤモニの遮音性と精密なフィット感をさらに向上させるために、カナル部分に細かい加工を行います。

まず、カナル(耳道に入る部分)の一部にリング状のシリコンを追加します。このシリコンリングを使うことで、耳道に対する密着度が高まり、外部の音をより効果的に遮断できます。特に高い遮音性が求められるライブやステージ上での使用において、このプロセスは非常に重要です。

その後、リューターと呼ばれる工具を使用し、さまざまなビットを取り替えながら、インプレッションの細部をさらに整えます。リューターを使って、カナル部分の形状を細かく調整し、耳道にぴったりフィットするように、且つカスタムIEMの着脱をやりやすくするよう調整しながら仕上げていきます。使用するビットの種類は、加工する部位や仕上げたい質感によって異なり、カナルの滑らかな仕上がりや細かい凹凸の修正などに対応しています。

この精密な仕上げの工程が、最終的な装着感と音質に大きな影響を与えるため、非常に重要なステップとなります。職人の経験と技術が求められる工程であり、細部に至るまで完璧なフィット感を目指して加工が進められます。

当店では、カスタムIEMのシェルを高品質な医療グレードのアクリル樹脂で作成しています。お客様のご希望に沿ったカラーを使用し、透明感のあるクリアなものから、不透明なソリッドカラー、さらにグリッターや鉱物フレークなどの封入物を加えたデザインまで、多彩なオプションをご用意しています。それぞれのカスタムデザインに応じて、光照射による硬化時間を個別に設定し、最適な仕上がりを実現しています。

シェルの製作は、まず耳型を元に寒天状の型取り剤を用いてメス型を作成するところから始まります。このメス型は、シェルの精密な形状を作り出すために非常に重要な役割を果たします。

型が整った後、指定されたカラーの樹脂を流し込み、樹脂が均一に行き渡るように慎重に作業を進めます。

次に、光を当てて樹脂を硬化させ、シェルがしっかりとした形を保つまで照射時間を調整します。硬化したシェルは型から取り出し、専用の洗浄液で丁寧に洗浄して、曇りのないクリアなシェルに仕上げます。この洗浄工程により、光沢のある美しい外観が得られ、お客様の耳にぴったりフィットする高精度のシェルが完成します。

カスタムIEMの優れた音質を支えるために、各部品の組み立ては極めて重要な工程です。当店では、内部配線に銀メッキのリッツ線を採用し、接続には銀含有率の高い音響用はんだを使用しています。この組み合わせにより、音の伝達精度が向上し、ノイズの少ないクリアな音質を実現しています。

組み立て工程の初めに、各ドライバーの周波数特性を一つ一つ計測し、左右での個体差が基準値以内になるように選定します。特に複数のドライバー構成では、わずかな誤差でも音質に大きな影響を及ぼすため、ドライバーの選定作業は非常に重要です。

次に、ドライバーやネットワークパーツをはんだ付けし、音導管やサウンドダンパーを正確に接着します。これらの作業はすべて手作業で行われ、各部品が最適な配置と接続で組み立てられるように進められます。音質に影響を与えるすべての要素を厳密に管理することで、理想的なサウンドを実現しています。

硬化と洗浄が完了したシェルは、次の工程に移ります。この段階では、シェルの底面、つまりフェイスプレートが取り付けられる側をフラットに削り、コネクタや音導管を通すための準備を行います。

次に、リューターを使用してコネクタや音導管の通るための穴をシェルに開けます。この穴開け作業は、コネクタが正確にフィットし、音導管が正しい位置で機能するために非常に重要です。穴のサイズや位置がわずかにずれるだけでも音質に影響を与える可能性があるため、細心の注意を払って作業を進めます。
基本は機種ごとに音導管の太さや数、位置が決まっていますが耳道がかなり狭いケースの場合はこの段階で音に影響が出ないよう音導管の仕様を変更する場合があります。

これらの加工を経て、シェルはコネクタや音導管の組み込みに最適な状態となり、次の組み込み工程へと移行します。

すべての部品が準備された後、次に進むのはシェル内へのパーツ組み込みです。この工程では、ドライバーや電子部品をシェル内に慎重に配置し、音響性能が最大限発揮できるように調整します。技術者が一つ一つのパーツを手作業で精密に組み込むことで、シェルの限られた空間内で効率的な配置を実現します。

この段階で、内部配線の整理やドライバーの配置を細かく調整し、音のバランスが左右で整うように最善の注意を払います。特に、左右の耳の形状が大きく異なる場合には、サウンドダンパーの位置や音導管のサイズや硬度を調整し、耳ごとの形の違いが音質に影響しないよう調整します。

部品がすべてシェルに組み込まれた後、最終的なサウンドチェックの工程に移ります。この工程では、組み込まれたドライバーや音導管が適切に機能しているか、また音質がデザイン通りに発揮されているかを確認します。

まず、左右それぞれのカスタムIEMを専用の音響測定用マイクに接続し、周波数特性や音量バランスをテストします。特に、複数のドライバーを搭載した場合、各音域(低音・中音・高音)が正しく再生され、不要な歪みやノイズがないかを綿密に確認します。

さらに、リスニングテストも行い、機器による数値テストだけでなく、実際の音楽再生において音質が期待通りに発揮されるかどうかをチェックします。左右の音質差がないことや、指定された音域が正確に再現されているかも確認し、必要に応じて微調整を行います。

次に進むのは、フェイスプレートの作成です。これは、カスタムIEMの外観を決定する重要な部分であり、デザイン性と耐久性の両立が求められます。

当店では、クリアシェルやソリッドカラー、グリッター他特殊デザインなど、さまざまなオプションをご用意しており、個性を反映させた独自のフェイスプレートを作成できます。選んだオプションに応じて、必要な加工や装飾が施されます。

次に、シェルの上部にぴったりとフィットするよう、フェイスプレートのベースを作り、シェルに接着して強固に固定します。接着の際には、隙間ができないように細心の注意を払い、しっかりと密閉されるよう調整します。
その後はカット、切削整形します。フィット感や耐久性を確保するため、エッジ部分を滑らかに仕上げることが重要です。さらに、ロゴやお客様オリジナルのアートワークデザインを施す場合も、この段階で対応します。

この工程を通じて、カスタムIEMの外観が概ね完成し、仕上げの段階に入っていきます。

表面処理の工程ではカナル部分の形状をさらに整え、仕上げの精度を高めるために、この工程では細かい調整と表面処理を行います。まず、リューターなどの精密な工具を使用し、カナル部分の輪郭を調整します。耳道に対してより正確にフィットするように、微調整を行い、長時間の使用でも快適に装着できる形状を作り出します。

次に、表面を滑らかに仕上げるための表面処理を行います。この処理によって、カナル部分に凹凸が残らないようにし、装着感を向上させるだけでなく、後工程で使用するコーティング剤がより強固に密着するように準備を整えます。

コーティングのプロセスではまずシェル全体を洗浄し、ほこりや汚れを完全に取り除くことで、コーティング剤の密着性を最大限に高めます。

これにより、コーティング剤がしっかりとシェルに吸着し、長期間にわたって製品の耐久性を維持することが可能になります。
このプロセスは、カスタムIEMの遮音性、耐久性を高め、長期間にわたり美しい仕上がりを維持するために重要です。

まず、シェルの表面全体に均一にコーティング剤ブラシで丁寧に塗り広げます。特に、カナル部分や接合部など、細かい部分にも確実にコーティング剤が行き渡るようにします。
当店ではカスタムIEMの部位ごとに層の厚みが異なる2種類のコーティング剤を使用しております。
これにより、厚みの欲しい部分や滑らかにしたい部分と痛みが出やすい部分や入り組んだ部分などそれぞれの部位に適したコーティング処理を施すことができます。

塗布後は、しばらくの時間回転させながら馴染ませ、特殊な処理を行った後にUV光で硬化させます。

コーティングが完全に硬化した後は、最終的な仕上げとして、光沢や手触りを確認しながら、筐体の検品を行います。

以上のプロセスを経て、当店ではお客様のために完全オーダーメイドのカスタムIEMを制作しています。耳型の採取から、シェルの作成、パーツの組み込み、サウンドチェック、そして最終的なクリーニングと梱包まで、細部にこだわり一つ一つ丁寧に手作業で仕上げています。すべての工程において、最高の音質と快適な装着感を追求し、世界に一つだけのカスタムイヤホンをお届けします。

お客様に長くご愛用いただける製品を提供するため、これからも精密な技術とこだわりを持って製作してまいります。